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金武大川(きんうっかがー)は圧倒的な水量を誇る長寿の泉

沖縄は昔から水不足に悩まされてきた土地なんですよ。
土地が狭いため大きな川や湖が無く、雨が降っても海に流れ出してしまうので貯水が難しいんです。

そのため沖縄の人々は、様々な手段で雨水を溜めたり、わずかな湧き水に頼ったりして暮らしてきました。
しかしもともと水量が貧困な土地柄なので、ある日突然湧き水が枯れ、村が丸ごと壊滅の危機に陥ることも珍しくはありませんでした。

 

画像:金武大川の様子。拝所でもあるので大切に整備されている。

 

そんな沖縄県において、どんなに過酷な干ばつでも枯れなかった圧倒的な水量の湧き水があります。
金武町に位置する『金武大川(きんうっかがー)』という井泉です。

県内に複数のダムができた現在、沖縄県民はあまり水不足に悩まされることは無くなりました。
しかしほんの20年ほど前まで、数週間ほど雨が降らなかっただけで街ひとつが断水されるのが普通だったんです。
沖縄県民と水不足との闘いは数百年に渡って続いてきました。

ところが、金武町の人々は水不足に悩む心配が無かったといいます。
なぜなら24時間365日体制で綺麗な水を吐き出し続ける金武大川が近所にあったから。

 

画像:この調子で何百年も水が出続けている。

 

金武大川から湧き出す水の量たるや、なんと1日に1000トン
つまり100万リットルもの水がザバザバと湧きだし続けているわけです。

100万リットルの水って物凄い量ですよね。
全部飲み干すとしたら16万6666人分の致死量ですよこんなん。
いや、別に飲み干す必要はどこにも無いので誰も死なないけれども。

この大量の水は、すぐ近くにある『金武鍾乳洞』から流れ出してきているようです。
広大な地下空間に貯水された水が湧きだしてきているので、天候に関係なく大量の水が確保できるんですね。
いわば金武鍾乳洞と金武大川は、天然のダムとして機能していたわけです。

 

画像:鍾乳洞から流されてくるらしく、水中には小魚やカニがいる。

 

豊富な水量が確保できる土地だったので、金武町の人々は干ばつに悩まされることはありませんでした。
どれだけ日照りが続いたとしても、畑に撒く水に困ることすら無かったといいます。
つまり、金武町は県内でも屈指の『農業に向いている土地』だったと言えますね。

清らかな水、自然豊かな土地、照りつける太陽…
農業に適した条件がこれでもかとそろった金武町では、様々な野菜や果物を生産することができます。

そこでクイズなんですが、金武町の特産品って何だと思います?
豊富な水量と農業に適した土地があるといえば…アレしかありませんよね。

 

 

そう、タコライスです。

金武町の特産品と言えばタコライス。
よく考えりゃ何でこんなに農業に適した土地の特産品がタコライスなの?とは思いますけど。
沖縄県民に『金武町の特産品って何?』って聞いたら80%くらいが『タコライス』って答えると思います。

あと、金武町は田芋の名産地でもあります。
田芋は水田で栽培されるサトイモの一種で、沖縄ではお祝い事でよく食べられています。
『綺麗な水でしか育たない』という特徴を持っているので、まさに金武大川の恩恵を受けている作物であるといえますね。

こんなに特産品らしい特産品があるのに、タコライスばかりが有名になっちゃったあたりが世知辛いですね。

 

画像:水が透き通りすぎて、真上から撮影すると水底しか写らない。

 

ちなみに金武大川の水はこんな感じ。メッチャクチャ綺麗。
水が透き通りすぎて、写真を取っても何も無いように見えるレベル

地元の人々は、このあまりにも綺麗な水を『長寿の泉』とも呼んでいたのだそうです。
飲んだら寿命が延びる…みたいな話は無いみたいですが、縁起の良い水源としても知られていたようですね。

ちなみに金武大川の水は生活用水・飲料水として使われていた他、家畜の牛や馬の水浴び場としても利用されていたそうです。
牛と馬、長寿の泉で水浴びしてたんか…すごいセレブ。

せっかくなので僕も長寿の泉の水を飲んで不老不死になろうかと思ったんですが、どうも現在の金武大川は飲用禁止になっているようです。
メチャクチャ綺麗に見える水ですが、衛生的にアウトなんだとか…

長寿の泉なのに、飲んだらdeathの可能性があるという…

 

画像:けっこう深いんだけど、写真に写すとやっぱり透き通りすぎて深さが伝わらない。

 

現在は生活用水にも使われていないし、牛や馬の水浴びにも使われないし、飲むことすらできないとされる金武大川…
じゃあ何に使われてるのかというと、地元の子供たちの遊び場として人気があるようです。
僕が撮影に行った日も、子供たちが小魚を獲って遊んでいました。

そのとき子供たちに聞いたんですが、金武大川では時たまウナギが獲れることもあるんだとか…
あのときは『へぇ~…』くらいで流したけど…今考えると、ウナギって絶滅寸前でかなり貴重だよな…

ビッグビジネスの予感がするぜ…!(密漁)

 

それでは最後に、金武大川の基本情報です。

 名前 金武大川(きんうっかがー)
 タイプ 自然/湧き水
 住所 沖縄県国頭郡金武町金武564
 電話番号 ーー
 入場料 無料
 定休日 年中無休
 営業時間 見学自由
 所要時間 15分
 駐車場 無料
 トイレ ナシ
 服装 多少濡れてもいい恰好
 観光客へのオススメ度 ☆☆☆
金武町で観光地をお探しの際にはお立ち寄りください。
 地元民へのオススメ度 ☆☆☆
軽く水遊びをしたいときにオススメ。
 ディープスポット度 ☆☆
少し入り組んだ場所にありますが、地元の方が集まることが多いので賑やかです。
 接客 ーー
 バリアフリー
すぐ目の前までは車で行けますが、水場に近づくときに階段を使う必要があります。
 周辺の観光地 ネイチャー未来館まで車で5分

キングターコス金武本店まで車で5分

 備考 地元の方にとっては聖域でもある場所なので、むやみに騒いだり汚したりしないようにしましょう。

 

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