沖縄名物図鑑

女性の象徴として大切にされてきたお菓子・サーターアンダギーとは?

沖縄にはサーターアンダギーというお菓子があります。
琉球王国時代から作られ、今なお子供から大人まで幅広い年齢層に食べられ続けている伝統菓子です。

『サーター』は方言で『砂糖』、『アンダギー』は方言で『揚げたもの』を表します。
すなわち、サーターアンダギーという名前は『砂糖を揚げたもの』という意味を持つ言葉です。
おばあちゃん達の間では『砂糖てんぷら』という呼ばれ方をすることもありますね。



画像:サーターアンダギー。

サーターアンダギーがどんな食べ物かと言うと…まぁぶっちゃけ『ドーナツ』です。
外国人観光客向けにサーターアンダギーの説明をするときも、ガイドさんは『Okinawan donut(オキナワンドーナツ)』と言うくらいです。

ミスタードーナツなんかに売ってる『オールドファッション』っていうドーナツありますよね?
あれとほとんど同じ味だと思って差し支えありません。

外はサクッとした歯ごたえ、中は柔らかくてほんのり甘い…
食感・風味・食べごたえ・喉が渇く感じに至るまで、サーターアンダギーとオールドファッションは酷似しています。
インドネシアの国旗とモナコの国旗くらい似ていると言っても過言ではないでしょう。


画像:きっとインドネシア人とモナコ人も見分けられていない。

 

今では1個50円~100円くらいで販売されていて、駄菓子感覚で食べられるお菓子として流通しているサーターアンダギー。
しかし琉球王国時代は祝いの日にしか食されない貴重なお菓子として珍重され、戦後になってからも結婚を祝う縁起物として食されていました。

結婚のお祝いでサーターアンダギーを食べるのは、サーターアンダギーが『女性を象徴するお菓子』とされていたからです。
なぜこんなゴツゴツしたイシツブテみたいなお菓子が女性を象徴しているのかというと、『割れ目があるから』という現代なら1発アウトセクハラホームラン級の理由だったといわれています。

ちなみに、結婚のときに食されるお菓子としてサーターアンダギーと対を成す『カタハランブー』というお菓子もあります。
こちらは男性を象徴するお菓子とされているのですが、まぁその、全体的に巨大な玉袋に見えなくもないセクシーなお菓子です。
僕たち沖縄県民の祖先が何を考えて晴れの日にこんなよくばりセクハラセットを食べていたのかは分かりません。



画像:サーターアンダギーにも割れ目はあるんだよな…

 

サーターアンダギーが誕生したのは琉球王国時代だといわれていますが、その起源はハッキリと解っていません。
ただし、サーターアンダギーが中国の『開口笑(かいこうしょう)』というお菓子によく似ていることから、これが沖縄に伝わってサーターアンダギーに変化したのではないかというのが有力な説です。
画像検索してもらうとよく分かりますが、開口笑の見た目はたしかにサーターアンダギーそっくりです。

…っていうか名前から察するに、昔の中国の人はこのお菓子の割れ目を『人が口を開けて笑っているようだ』と感じたんですね。
なかなか素敵な考え方だと思います。なるほどぉ…考えたこともなかったなぁ…確かにサーターアンダギーも笑っているように見えなくもない…
一方、僕たちの祖先は『割れ目があるから女性だ!』って言いだしたわけか…なるほどね、さすが僕らの祖先って感じだな。



画像:ついには擬人化される始末。

ちなみに、サーターアンダギーには南国のお菓子ならではの特徴があるんですが、皆さんにはお分かりになるでしょうか?
琉球王国時代にドーナツなんてオーバーテクノロジーなお菓子が普及したことには、ちゃんとワケがあるのです。

その特徴とは『すっげぇ日持ちする』ということ。
冷蔵庫も無ければ保存料も無い時代の沖縄では、食材を保存しておく術があまりありませんでした。
気温も湿度も高い南国の陽気では食材が腐りやすく、何日も保管しておける食材は非常に貴重だったのです。

その点、サーターアンダギーは常温で置きっぱなしにしていても数日は日持ちしました。
油・小麦粉・砂糖・卵さえあれば大量生産でき、店頭に常温で並べて売っても腐らないので、市場などで広く販売されるようになったのです。

状態にもよりますが、サーターアンダギーは作ってからだいたい2週間くらいは平気で食べることができます。
個人的には1ヶ月前のサーターアンダギーを食べたことはありますが、死にはしませんでした。(オススメはしません)

 

ちなみに沖縄県内のスーパーには必ず『サーターアンダギーミックス』というものが売られています。
こんな感じのやつですね。

サーターアンダギーミックスというのは、いわゆるホットケーキミックスのようなものです。
これに水やら卵を混ぜたあと、丸めて油で揚げるだけで簡単に美味しいサーターアンダギーが作れてしまいます。
沖縄の家庭では、3時のおやつ感覚でサーターアンダギーを作ったりするのでこういった商品が売られているわけです。

県外ではなかなかサーターアンダギーが手に入らないかと思いますが、興味のある方はサーターアンダギーミックスで自作してみるのも面白いですよ!
まぁ普通サーターアンダギーの売っていない地域にサーターアンダギーミックスは売られていないかと思いますが、そこはAmazonとかの力を借りてなんとかしてください。

丸めて揚げるのにちょっとコツが要りますが、慣れれば手軽にサーターアンダギーが作れるのがミックスのいいところです。
僕は小学生の頃に初めてサーターアンダギーを作ったのですが、丸めるのを失敗して男性の象徴みたいな形のサーターアンダギーが完成したことがあります。

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